現代文明論 -思想・探究心の育成-
「現代文明論」は、「人生如何に生きるべきか」と自らに問いかけ、意義ある人生を送るため、多様なものの見方の中から、正しいものの見方・考え方を確立し、人道主義・人格主義に基づいた思想を培うことを目的とした、学園独自の、正に中核をなす教育です。
東海大学における「現代文明論」は、創立者・松前重義が戦後、新制東海大学の教壇に立ち、「電気概論」という講義の中で自らの考えを語り始めたのがきっかで、それが正式に「現代文明論」という独立した科目となり、現在では入学した学生全員に必修として課しているものです。
松前重義は学生に向かって「人生如何に生きるべきか」と問いかけ、「勝利の人生」を獲得するためにはどのようにして「思想を培う」べきかを語り続けました。
ここでいう「勝利の人生」とは、単に立身出世や裕福になることではなく、研ぎ得た才能をよりよく使い、生かし、社会へ向かう力とする人生のこと。また「思想」とは、特定のイデオロギーをいうのではなく、正しいものの見方、より良いものの見方である「世界観」を持つことを意味しています。さらにその「思想を培う」にあっては、「人道主義・人格主義に基づいたものでなければならない」と続けています。
これが東海大学の建学の理念を支える思想基盤なのです。
高校現代文明論 -学園必修科目-
松前重義は40年にわたって語り続けました。そして、松前重義没後、その思想を学び、生徒一人ひとりが自ら人生や社会のさまざまな問題について考える機会として、「高校現代文明論」が、1994年4月から学園傘下のすべての付属高等学校で開始されました。「高校現代文明論」は、東海大学の付属高等学校の必修科目です。
いま、自分の身の回りや世の中で起こっているいろいろな問題点を、現在の視点や価値観だけで見るのではなく、歴史の流れの中に捉え、その上で問題解決について考える。そしてその問題を自分自身に置き換え、さらに社会に生かし、どう明日につなげていくかが、この学習の一貫した流れになっています。
学園傘下の付属高等学校においては、以下を「思想を培う」具体的な目標に掲げています。
- 社会や人生における課題や矛盾についてその原因を考える。
- 社会が内包する矛盾を解決する、さまざまな方法を考える。
- 自己の能力をいかに社会のために活用して役立てるか、その方法を考える。