生徒会の歌

開校三年目(昭和36年)に部活動が始まり生徒会が誕生しました。その後、生徒会の活動が活発になると、自分たちの歌を作ろうという気運が盛り上がり、生まれたのが、『生徒会の歌』です。この歌が、どのようにして生まれたか、当時教頭であった内木文英先生(現名誉校長)は、次のように触れています。
都立上野高校の通信教育部に生徒たちの歌う特別な歌があって、それに刺激を受けた新井君(2代目の生徒会長)たち生徒会執行部が、生徒会の歌を作りたい、と言い出した。募集に応じて七、八編の歌が集まった。
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私は生徒の作品に目をとおしたが、たしかに歌としてはそれぞれ不完全だった。ところがことばに力があるのだ。願い、思い、祈りといったものが、不統一だが、ことばにこめられている。ワラ半紙にそのことばを拾い出していくうちに、私の胸にもえあがるものがあった。歌は一気にできあがった。
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FM東海で一緒に仕事をしている松前紀男先生の所へ持っていくと、まもなく曲を作ってくれた。ピアノでたたいてみると、ぐんと胸にこたえるいいメロディーである。早速みんなで歌ってみた。年表には「昭和39年12月6日、生徒会の歌できる」とあるだけだが、私には忘れることのできないものがある。誰が書いたか忘れてしまったが、七、八編の生徒たちの詩が私をゆり動かしたのだ。へたくそで詩になっていない詩の中に、人をゆり動かすことばがあったのだ。(内木文英,望星高校物語』,1984年,東海大学出版会